産休備忘録

育児をなんとかサバイブしたい母親業初心者のブログ

最近読んでよかった本と、早期教育について思ったこと

先日、子供向けの本を集めた銀座の教文堂ナルニア国に立ち寄ったのだが、その時にふらっと手に取った本がとてもよかった。

 

 

ひとつは、河合隼雄「こころの子育て」。

心理学者の河合隼雄先生が、読者からの子育ての悩みに対して一問一答形式で回答している本。一つ一つの質問が身に染みる。目次に書いているQAだけでも十分面白い。

「Q. 子供をちゃんと育てていけるのかいつも不安です」「A. どういう子育てがいいのか、ぼくもようわかりません」

「Q. 早期教育は子どもにプラスですかマイナスですか」「A. 就学前に必要なのは勉強ではない、自由な遊びです」

赤ちゃん期〜思春期までを通しての質問に答えているので、私がまだ子育ての中で直面していない悩みもあった。「子育てのゴールはいつでしょう」など。これからもいろんな悩みが出てくる中で、定期的に読み返したいと思える本だった。

 

もうひとつは中川李枝子「本・子ども・絵本」。

 

本・子ども・絵本 (文春文庫)

本・子ども・絵本 (文春文庫)

 

 

ぐりとぐら」作者として有名な中川李枝子さんのエッセイ。中川さんの保育士時代の話や、子どもと絵本の向き合い方などが書かれている。この中でも特に刺さったのは、早期教育に関する部分。

 

「ほとんどの夫婦は、子供の誕生の瞬間から英才教育にとりかかっています。お父さんもお母さんも、暇さえあれば赤ちゃんにつきっきりで、なんとかして我が子の耳を楽しませよう、目を楽しませよう、一言でもたくさん語らせようと躍起になっているではありませんか。我が子の感覚の目覚めを一刻も早く捉えようと夢中になることこそ「早期教育」「英才教育」と思います」(((p194より引用)))

 

そして、音楽の好きな両親であれば子供も音感が優れるし、美術センスのある親であれば子供も美的感覚に優れる、読書好きな親、忙しく働く親、アウトドアな親など、子供は家庭のありように影響を受けるし、それが立派な家庭教育であるということが綴られていた。子供の教育のために、と思って特別なことをする必要はなく、ちゃんと毎日の家庭を運営して行くこと、自分の好きなことを子どもにも見せてあげることで十分それが家庭教育になるのだと思うと、何かをしてあげるほど余裕がない自分にとっては少し救われるものがあった。(まあ、好きなことをしていればいいといって、スマホばかりみていたらだめなんでしょうけど。。時々疲れるとだらだら子供の前でもスマホいじってしまうのでそこは反省。。)

 

どちらの本を読んでも刺さる部分が早期教育についてということは、相当そこを気にしているんだな、自分。。子どもが楽しんでいて自分にも余裕があるなら早期教育としていろんな教材を試したり教室に通ったりするのはとても良いことだと思う。ただ自分はそこまで子どもにしてあげられていないことで、かなり不安を抱いているのだと思う。

 

最近の本屋では「頭のいい子に育てる方法」「東大ママのなんとか」みたいな即物的な子育て本ばかりで、だいたい早期教育には母親のコミットが必要という話ばかりしか書かれていなくて、しかもそういったものがベストセラーになっているので、目に毒である。。。自分は人から影響を受け易いので、そういう個人の経験をベースに書かれた子育て本にはできるだけ近づかないようにしている。

 

この2冊はどちらの本も不安を煽ることはなく、いろんな子育てをみてきたベテランの心理学者/保育士さんが丁寧に子供との向き合い方を教えてくれる本で、読んでいて日頃こういう接し方でよかったのだろうかという悩みをすっと解消してくれた。私が子育てに求めているのはこういう距離感の子育て本なのだと思う。

 

教文堂には息子に新しい絵本でも買おうと思ってふらっと立ち寄ったのだが、自分向けにちょこっと買った文庫本がどちらも大ヒットだった。教文堂はさすがで、しっかり良書だけが置いてある感じだった。もうちょっと息子が大きくなったら一緒に行って、一緒に絵本を選びたいなあ。

www.kyobunkwan.co.jp

 

最近は仕事が落ち着いているため、本やドラマや漫画など、これまで時間がなくて見れなかったものにいろいろ手を出している。こんなにのんびりしてて大丈夫かな、と不安に駆られるけど、まあ時間があるときにしかできないことをせっかくだし楽しんでいこう。でもそろそろ仕事もアクセル踏みたいな・・・会社の方向性がよく分からなくて右往左往する毎日。。