裁判の傍聴に行ってきた。
平日昼間、霞が関の官公庁街には似つかわしくないゆったりファッションで向かう。
裁判所の周りは物々しく、自分が特に浮いているような気がする。
東京地方裁判所は東京高裁、家庭裁判所なども兼ねておりかなり大きな建物。
目の前には警視庁。これが桜田門てやつか…
どちらもコナン映画「ゼロの執行人」で見たことがあるやつだ!という感想しか抱けない。
裁判所には空港のような手荷物検査をして入る。
案外あっさり通された。裁判所内は撮影禁止とのこと。
本日は傍聴目的なので、どんな裁判があるかの一覧が見れる電子端末で開廷時間や場所を確認。
初めて見るなら刑事事件、そして流れがわかるように初審がいいと聞いていたので、該当するものを選んで二件傍聴してきた。
傍聴を趣味にしている人は結構いるようで、傍聴ガイドやブログなど、検索してみると色々出てくる。事前に何件か読んで参考にしていた。
裁判傍聴の手順とマナーは? マニアが語る傍聴の醍醐味 | マネーポストWEB
この日に聞いた1件目は詐欺未遂罪。
いわゆる振り込め詐欺の電話をかける役、掛け子として逮捕された人の裁判だった。
思ったのは、住所や学歴、同居人の有無など、かなり細かく個人情報が裁判では読み上げられるということ。プライバシーもへったくれもない。
また、法廷の中は煌々と明るく、裁判所の重厚な雰囲気や、疲れた雰囲気の検察や被告人や弁護士、法曹らしいローブ(?)を纏った書記官など…いかにもドラマで出てくる「裁判所」という雰囲気だった。不謹慎ながらあまりの裁判所感にドキドキしてしまうほど。
この裁判は検察からの読み上げと、弁護側は全面同意するのみで終了し、次回があるようだった。
二件目は不法滞在。海外の方が被告人だったので通訳が付いていた。
検察官の訴状読み上げ、弁護士の弁護と被告人への質問が行われ、時間内で判決まで下された。
検察側からの訴状読み上げは淡々としていたが、弁護側から被告人への質問が泣かせる内容であった。
在留期限を過ぎても日本滞在を続けた理由は、母国で闘病する家族への送金、就学支援のための学費送付、子供への養育費…
証拠として家族写真や、妻からの手紙などを裁判官に提出していた。そういう証拠もあるのか、という思い。
もちろん裁判なのでどんな弁護をするかはストーリーとして事前に練っているのだと思うが、同情せずにはいられないような話ばかり。
だからといって法律違反を許すわけじゃないから裁判になってるんだろうけど。
二件の裁判を傍聴してみたが、どちらも全く違う内容で興味深く、人生ドラマであった。
お堅い建物ばかりの霞が関の一角では、毎日小さな法廷の個室であれが繰り返されているのだと思うと、少し不思議な気持ち。
また、傍聴をする人たちもかなりたくさんいた。学生なのか、レポートに何を書こうかと話している人たちもいたし、プロの記者かと思うほどかなりメモを取っている人もいたり、、、裁判所には一般人も意外にいるのだなというのが面白かった。
裁判自体も小一時間ほどで終わるものが多く(たまたま見た裁判がそういう類のものだったかもしれないが)、妊婦の体でも無理することなく傍聴することができた。
刑事事件でゴリゴリにメンタルやられたらどうしよう…と思っていたが、聞いた内容がライトなものだったのでそこまで精神的な負担もなかった。
殺人事件などを傍聴する場合には覚悟が必要なのかもしれない。
働いてたらなかなか裁判の傍聴なんて縁がなかったけど、産休のように時間ができたタイミングで社会勉強として行ってみるのはおススメです。