産休備忘録

育児をなんとかサバイブしたい母親業初心者のブログ

産休中の妊婦が「そして父になる」を見て号泣している

そして父になる」を見た。

 

 

Amazon Primeのあらすじはこんな感じ。

大手建設会社に勤め、都心の高級マンションで妻と息子と暮らす野々宮良多(福山雅治)。ある日、産院からの電話で、6歳になる息子が取り違えられた他人の子だと判明する。妻のみどり(尾野真千子)は気づかなかった自分を責め、一方良多は、優しすぎる息子に抱いていた不満の意味を知る。良多は、相手方の家族と戸惑いながらも交流を始めるが、群馬で小さな電気店を営む斎木雄大リリー・フランキー)とゆかり(真木ようこ)夫婦の粗野な言動が気に入らない。過去取り違え事件では100%血のつながりをとるというが、息子に一心な愛情を注いできたみどりと、温かでにぎやかな家族を築いてきた斎木夫婦は、育てた子を手放すことに苦しむ。早い方がいいという良多の意見で、ついに“交換”が決まるが、そこから、良多の本当の“父”としての葛藤が始まる―。

 


 

赤ちゃん取り違えをテーマにした映画。


ぐわー、苦しい。

 

映画の中で対比される二つの家族が、自分の出身家庭とこれから築いていく家庭の両方を描いているような気がして。そして親になる自分、子供である自分の両方に関わる部分を、強く揺さぶられたような気がして。

 

 


東京の野々宮家は、夜景の見える小綺麗なタワーマンションに住む。福山雅治演じる夫は都心のビル群に勤める建築会社のサラリーマン。尾野真千子演じる妻は専業主夫で、昼間子供は母親とふたりきり。小学校お受験。高級肉のすき焼き。お風呂の英語教材。リビングにたくさんある知育おもちゃ。全てが直線的で、どこか影がある。

 

 


群馬の斎木家は、リリーフランキー演じる父親が家電屋を営む。はんだごてでなんでも修理できる父。真木よう子演じる母親は弁当屋のパート。くたびれてはいるが風通しの良い戸建。電球を買いに来る近所の知り合い。三人兄弟と、常に大人のいる暮らし。穴の空いた障子。布団の敷き詰められた部屋。昼間のシーンが多く、明るく開放的。

 

 


自分の実家は群馬の斎木家にとても近い。家電屋で、家に帰ればいつも誰かがいて、いま思えばそれってとても幸せなことだったんだな、と思う。

 

 


自分が共働きを続けるなら、東京の野々宮家はみたいになるんだろうか。母親がいない分それよりも寂しくなるのか。

 

 

物語自体は、「そして父になる」のタイトル通り、福山雅治演じる野々宮家父が子育てと向き合っていく話なので、東京の野々宮家の方が課題が多く描かれているように感じる。それが苦しい。自分の歩もうとする道はこれで良いのか。 

 


 

対比として描かれる斎木家は、経済的に苦しい部分はあるかもしれないが、自由で、のびのびと子供が育っているように感じる。斎木家をメインに据えた物語であればそれはそれで身につまされるものを感じるのだと思う。

 

 

 

福山演じる野々宮の実家自体も、父親との距離が絶妙に遠い。血がつながっていればそのうち子供は親に似るんだ、という父親。再婚したであろう父親との縮まらない距離。同じ都内だろうにあまり実家に立ち寄らないという設定も絶妙である。子育てに悩む彼自身も、また親との関係に悩む子供なのだと強く感じる。

 

 


自分もこれから出産を経て親になる予定ではあるが、一方で最近よく思い返すのは自分の子供時代のこと。自分は小さい頃こんなことをしてもらった、だからこんなことをしてあげたい。自分はこうだったな。子育ては人生を追体験するようだという一節をどこかで読んだが、その言葉が強く染みてくるここ最近。親のことを疎ましく思う時期もあったが、今思うのは自分は親のような親になれるだろうか、という親への尊敬。絶対直接は言えないけど。

 

 

 

どちらの家庭からも伝わってくるのは、子育てにおいて子どもの幸せを願っているということだ。だからこそ取り違えられた子供の将来を考えて悩むし、そして赤ちゃん取り違えという受け止め難い現実に、親自身苦しんでいる。常に大人がいて子供との時間を大事にする斎木家。夫が自分しかできない仕事があるという自負を持ち、妻が家庭を支える野々宮家。環境は違うけど、どちらの子供も愛を注がれて育っている。だからこそ物語の中の健気な子供の姿に涙してしまう。

 

 

 

後半、自分のことを完璧な父親だと思っている節もあった福山雅治演じる野々宮父が、親としてようやく向き合い始めた姿にも涙してしまった。子供に習わせていたピアノも、自分だって途中でやめてしまったこと。自分も少年時代、いなくなった母親を追って家出したこと。子供にとって親は生まれた時から親であり、そこは絶対的な存在である。ただ、どんな親でも、完璧な親なんていないのだと認識させられる。

 

 

産休のこの時期だからこそ、染み入るものがあったし、じっくりと見れたのかもしれない。

 

 

家族ものの映画やら何やら見ると、妊婦の涙腺緩めメンタルもあり本当に泣いてしまう。この前は「東京タワー 〜オカンと僕、時々父〜」でも号泣していた。リリーフランキー樹木希林が出ているともうダメですね。

 

 

おちこんでいるような記事ばかり書いていますが、わたしは元気です。笑